榎土敦之のコラム「宇宙人」

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宇宙人

宇宙人がいるかいないか、というお話ではない。
ただ単に、その呼び方に疑問がある。

勝手な地球上の人間の想像で、いろんな星にはいろんな生物がいて、それが地球を襲ってくるなんて映画はよくある。
最近は“地球外生物”なんて生き物なのになんだか生き物でないような感じのする言い方もあるようだが、ほとんどは“宇宙人”と呼ばれている。

そこだ。
想像とはいえ、火星にはタコっぽいの、土星にはイカっぽいの、その他熊っぽいの、魚っぽいの…といろいろな種類がいる。

果たしてそれらを“宇宙人”と呼んでいいのだろうか?
はっきり言って、“宇宙タコ”であり“宇宙イカ”であり“宇宙熊”である。

そういう生物達のことを考える時、地球の枠でのみ考えるのはナンセンスであり、宇宙という枠で考えるべきなのである。

地球では“人”が主導権をたまたま握っているが、火星では地球でいう“タコ”がたまたま主導権を握っているのである。
土星では“イカ”が主導権を握っているのである。

どの星でもいちばんエライのは“人”と思ったら大間違いである。

例えば“見た目タコな火星人”と仲良くなって、星と星を行き来するようになって、地球の代表が招かれて晩餐会が開かれたとする。メインディッシュに美味しそうな肉のテリーヌなんかが出てきて、食べてみるとこれまた美味。代表は聞く。
「これは何の肉ですか?」
そうすると、その“見た目タコな火星人”は答えるのである。
「これですか? 美味しいでしょう? では実際に御見せしましょう」
なんて手をパンパン!て叩くと(正確には8本あるからぱんぱんぱんぱん!)、シェフが檻に入れられた、どう見ても“人間”な生き物を出してくる。
そうしたら、絶対にその地球代表は叫ぶだろう。
「このタコ野郎!」

ほら、タコって呼んじゃうじゃん。
各星の主導権を握った生物が“人”だなんて、人間もちょっといい気になりすぎ。

逆に言えば、向こうは向こうで“宇宙猿”とか呼んでるかもな。
「いやぁ。マイッタよ。地球じゃ、毛の生えてないゴリラが普通にしゃべってんだよ!」
なんて言われてるかも。

まぁ、相変わらずどうでもいいことを書いてしまった。
最近、創造ストーリーものが自分の中で流行っているな。
普段からわりと、こんなこと考えながら生きてます。