榎土敦之のコラム「記憶」

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記憶

人間の脳の機能の中で、一番難しい作業は何か、ご存知だろうか?

それは、「覚えておく」という作業。

「覚える」ではなく「覚えておく」。
つまり「記憶」である。

僕には、この「覚えておく」の能力が、ほとんどない。
もっと言えば、「覚える」能力すら、ほとんどない。
本当に、よく忘れる。
覚えていない。
覚えられない。

小学校の時に、都道府県名&県庁所在地を覚えさせられたのだが、何度やっても覚えられなかった。
静岡県のとなりが神奈川県で、そのとなりが東京だということを、大学受験の新幹線の中で初めて知った。
東京は、はるかかなたの大都会だと思っていた。

高校2年の時に書いたパーカッションだけのドラムマーチの曲を、3年の時に聴いて、
「お!めっちゃかっこええ曲やんか!」
って言って、ヒンシュクを買ってしまった。

以前ここに書いた、超尊敬するアーティストの曲を全曲知っているが、実は題名は2~3曲しか知らない。

人の名前なんか、ものすごい。
19年来の先輩と、じかに話をしていても、
「ん?お前誰だっけ?」

あ。
ボケちゃったんじゃないからね。
だって、子供のころからなんだもん。

でも、最近はこの何でも忘れちゃう能力が、たいへん役に立っている。

一度書いた詞を、すぐに忘れてしまえるということだ。

作曲家さんからお預かりした曲にしても、そう。
次の曲を書き出すと、前に何の曲を書いたか、わからない。

すでに書いた曲を聴いても、自分がなんて書いたか、わかんない。

悪い風に取ると、かなりのアホになってしまうが、いい風に取ると、かなり早く切り替えができるのだ。

毎日、1曲ずつ書いても、あんまりストレスにならない。

たまに見返すと、「いいじゃん!」ってのと「なんじゃこりゃぁあ!」ってのとあったり。
第三者の立場で見れたりする。
それはそれで、楽しかったり。

この見返す作業で、「いいじゃん!!」ってやつばかりにしたいなと、思う。
そしたら、もっと楽しいだろうしね。

あ。
オニオンのみなさん、関係者のみなさんはちゃんと覚えてます。

(注意:書く時には、ちゃんと真面目に書いてますから、見捨てないで下さい・・・)