榎土敦之のコラム「帰り」

bind_free132.jpg
帰り

僕の勤めている会社は通称「6輪番」と呼ばれているシフト制だ。
だから、行く時間も帰る時間も、日によってバラバラ。

8:50~17:20、11:30~20:00、17:00~翌10:00のパターン。
3つしかないのに、「6輪番」。
休みの日をいれても、4つ。
謎だ。

まぁ、そんなこたぁ、どうでもいい。
帰り時間だ。

17:20に終わって帰る日は、妙に早歩きで帰ってしまう。
この時期はまだ明るく、「まだ今日が残っている!急げ」みたいな、なんだかよくわからないものに急かされてしまう。

ところが、20:00に終わって帰る日。
すんごいゆっくり。
陽も落ちて、真っ暗で、なんだか寂し~い気分になる。
「あ~、ひとりぼっちだなぁ。な~にやってんだろ、オレ」って感じ。

一日の中で働いてる時間は同じなのに。
違うのは、周りの雰囲気だけ。

時間が早いと、朝の出勤と同じ勢いで帰ってる人がいっぱいいて、なんだかこっちも急がされちゃう。
夜になると、ほろ酔いのサラリーマンもいて、「今日はもう帰るだけ」って空気で。
なんだかテンポダウンしてて、まったりしてる。

僕は、どっちかっていうと、夜帰るのが好き。
性格上、急ぐのは苦手なのよ。

お決まりの例でいくと、夏休みの宿題。
普通、最終日ぐらいに焦ってやるっていうじゃない?
僕は、最終日になっても焦らない。やらない。
「先生に言われたら、やろ~」って。

そんな流れで、詞も締め切り数時間前にならないと書けない。
「ギリギリになったら、やろ~」って。

まぁ、よく言ったら、腹がすわってるってのかなぁ。
腹が出てるってのとは、違うんよ。