榎土敦之のコラム「電車」

電車

東京に、13年前に来た。
中野区の鷺ノ宮だった。

浜松には、電車がない。
っぽいのはあるけど、２両編成。
だから、東京の電車には驚いた。
長い。
しかも、復線。
急行とか、準急とか。特急ってのまである。

最寄の駅は鷺ノ宮で、全部止まる駅だった。
電車の乗り方さえ知らなかった僕は、急行とかに乗るには急行券が必要だと思ってて、しばらく各停にしか乗っていなかった。

乗ってからも大変だ。
女子高生。
スカートが異様に短い。
なんだか恥ずかしくて、下を向いたまま通学していたっけ。
見ただけでも捕まりそうな気がしてた。

田舎モンは、電車に慣れない。
僕は、20歳になって運転免許を取ってから、車を欠かしたことがない。
車通勤がダメな会社でも、無理矢理車で通った。

今でも、電車に乗るときは緊張する。

ところで、電車はどっちに進んでいるのだろうか？

僕が思うに、横だ。

椅子は、全部横に並んでいるし、立っている人も横向き。
進行方向に向いているのは、各扉の横によさりかかっている人と運転手のみ。
８ドア８両編成なら、65人だけである。
下手すれば1000人近く乗っているのに。

やっぱ、横。

新幹線なんか、もっとすごい。
東京駅から乗るのに、通路を挟んで椅子が右と左で逆向きに並んでいる。
これは大きな賭けだ。
間違うと、ずーっとバックしちゃう。
僕は、何回もバックで浜松まで帰った。

新幹線だから許されるが、車で高速道路をバックしてたら捕まるな。
きっと。

音楽と関係なくて、ごめんなさい。