榎土敦之のコラム「派閥」

派閥.jpg
派閥

汁物の食べ物はたくさんある。

ラーメンやそばやうどんはもちろんであるが、
ほぼ毎日食卓にあるものとして、代表的な味噌汁もある。

どうだろう。
唐突だが、みなさんは“具派”か、それとも“汁派”か。

僕はだんぜん“具派”である。

味噌汁の具はちゃんと食べても、ほぼ毎回、汁は飲まない。
味がいやとか、そういうんじゃなくて。
“具派”だから。

以前ここにも書いたが、僕はラーメン大好きっ子(寒)だ。
ちょっと昔は、ラーメン通なる人が多かったので、どこのラーメンがうまいかどうか、よく話をしていた。

いろんな論点で話は進む。
まずは、何味が好きか。ここでは、ほとんどスープの種類。
次は、それに合う麺とは。
そして、それなら○○というラーメン屋がうまいだのまずいだの。
最後には、食べ方についてとなる。

ここで、聞かれる。
「あれ?スープは?」
「飲まないよ。具派だから」
「え~! だってラーメンはスープじゃん!」

わりと汁派が多いのである。
僕ら具派が、肩身が狭い思いをする瞬間である。

違うのだ。
ラー麺なのだ。
ラー汁じゃないのだ。
具を楽しむものなのだ。
具が一切なければ、中華スープじゃないか。

…具の存在こそが、重要なのだ。

ゆえに具の多い味噌汁は好きだ。
豚汁などは、花形だ。
「いよ!」なんて声を掛けたくなる。
お椀すれすれまで汁があったのに、具がなくなるとほとんどなくなっている。
そこには、煮込んだ際に具が溶け出したかなり濃い~スープが残る。
最後にそれを、味わう。

そんな程度で、いいのだ。

だって、スープが多いと、汁っぽいじゃん。

ん~、うまくオチなかったな。
ちなみに味噌汁は“おみおつけ”ともいうが、“御御御付”と書く。