榎土敦之のコラム「共同開発」

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共同開発

先日見た某TVショッピングで、ソファーを紹介していた。

「世界のブリジストンと当TV局が共同開発しました、ソファーです」

・・・察して頂いただろうか。

ブリジストンと言えば、確かに世界的企業。しかし、タイヤで。
TV局は、もちろん、番組を作り、放映しているところ。
そこが、一緒に、なぜ“いす”を?

予め種を明かすと、ブリジストンはずいぶん昔から家具を販売しているのです。
例えばTOYOTAだって、家具も、家も売っている。
TV局だって、通販用にブランドを持っていたりする。

知らなかったわけじゃ~ない。

ただ、・・・期待してしまうのだ。

まず、真っ先に。
(このソファー、もしかしてタイヤが出てきて、自転車に変身するのか!?)
そして。
(車に積んどけば、いざと言う時、スペアになるのか!?)
次に。
(いやいや世界の石橋だ。もっとすごいぞ)

と、相方のTV局の存在はほとんど無視して、想像は膨らんでしまう。
結果的には、普通のソファーで、いす以外の何にもならないことが判明するんだけど。

だったらさ。
それぞれの“家具部門が共同開発”って言ってほしいよね。
企業名言われたら、一番有名な部分で考えちゃうじゃん。

例えば、
「○○動物園と当TV局が共同開発しました、ソファーです」
ってなことになれば、例え○○動物園に家具部門があっても、
何の革使ってんだよ!?ってなことになるし。

「不二家と当TV局が共同開発しました、ソファーです」
って場合も、例え不二家で家具作っていても、食えるのか!?ってなる。

「NTTドコモと当TV局が共同で~」
なんて日にゃ、ソファーを持ち歩くのか!って驚くし、
対抗してauも参戦してきたら、もうほとんど“ソファー”なんて、どうでもよくなっちゃう。

こう考えると、名乗ったり、紹介するって、難しい。

みなさんは自分のことを、一言でどう紹介されたいだろう?
恐らく、一番自信がある部分じゃないだろうか。
そこには、これをやった、あれをやったという説明がついて世界が広がる。

先述のように、違う部分でがんばる時には気を付けましょうね。

ちなみに僕は、いまだに「ブラブラしてます」と説明している。