榎土敦之のコラム「グルーヴ」

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グルーヴ

たまには、まじめに音楽のこと(無論、自分の中での)を書こうかなと。
しかし、まるっきりの音痴であり、楽典なんかも全くわからないので、
ものすご~く狭い範囲でのお話になってしまうけど。

僕が音楽を聴く時、僕をいい気分にさせてくれるのは、
メロディーとかアレンジとかはもちろん大切なのだが、
一番は「グルーヴ」。
いわゆる「ノリ」である。

2拍であったり、1小節の中であったり。
4小節、8小節でのウネリであったり。
またまた、曲全体での大きな波であったり。

もともとインストものばかり聴いていたので、よけいにそうなったのかもしれない。
フュージョンやジャズなどの、わりと小さなうねり。
吹奏楽や、クラシックなどの大きなうねりなども大好きだ。

いきなり話は飛ぶが、とりあえず地球上で一番いい「ノリ」を出しているのが、
雨の音や風の音、動物達の出す音等の人間以外が奏でる音であると思っている。

雨音に似た感じの人間が出す音には、
パソコンや携帯のキーを一斉に押す音、
学校のテストのスタート時の全員の鉛筆の音、
混雑時の大勢の足音等があるが、
すべてに「ノリ」を感じたことがない。

むしろ、イライラしてしまう。
ただの雑音なのだ。

余談だが、テストの点がいつも悪かったのは、このせいだ。
「だって音楽じゃないじゃん!」
って言われると困るが、雨音・風音だって音楽じゃない。

前出した自然の音達は、故意にそうしているのではないのに、いいノリをしている。
雨音等には「ヒーリング効果」があるらしい。
しかるに、自然音のノリには人間をどうこうしちゃう力があるということだ。

それを表現しようと、自然に湧いたのが、音楽だ。
音楽はまず、打楽器からスタートした。
まだ人間だか猿だかわかんない頃、言葉もない頃に。
まだその頃は、人間も自然の一部で、きっといいノリだったんだろうなと思う。

やがて、いろんな知恵がついて「音楽」というものとされる過程で、
「ノリ」というものに区別され、意識されてしまった。

自然は、意識などしていない。
しかもそこには、メロディーもアレンジも存在している。

別に、音楽を否定している訳じゃない。
いい音楽は、いっぱいある。
いいノリを出している人だっていっぱいいる。
その人達は、その瞬間、自然にもっとも近くなっていると思われて仕方ないのだ。
羨ましい限りなのだ。

以前パーカスをやっていた頃の夢は、
アフリカ等に行って、
いろんな部族の人達のそれぞれの楽器でそれぞれの「ノリ」を体感することだった。

田村さんがアフリカに行っていると聞いたので、思い出したのだ。

次回は、「飛行機に騙されてる?」。